略縁起
円福寺のある物井地区は古代より村落が形成され、平安時代には下総国千葉郡物部郷の中心集落であったと考えられています。また、この集落には水の清き井戸が数多くあり、そのため物部の井戸から物井と称され現在に至ります。
室町時代中期に物井御山に真言密教道場として金剛寺が創建され、江戸時代初期には金剛寺境内に出羽三山権現が開山建立し、修験の寺としても大いに榮えました。江戸時代末期には無住となった金剛寺を円福寺が兼帯することとなり、明治元年の神仏分離令や廃仏毀釈の中で金剛寺が廃寺となると、その仏具・什宝類の一部が円福寺に移され、同時に修験道の修法と伝統を継承いたしました。
境内には弘法大師空海をお祀りしている大師堂があり、大師信仰を今に伝えております。ご本尊には大日如来をお祀りし、真言密教相承の寺として法灯を護持しております。
出羽三山権現金剛棟札
金剛寺不動堂寄託絵馬
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源頼政鵺退治図
作者:秀岳【落款】
制作年代・奉納年月:推定江戸時代後期
昭和58年四街道市有形文化財指定
朝廷より、妖怪「鵺」の退治を命じられた「源頼政」を描いた力強い作品。男児の誕生や健やかな成長を願い奉納された。 -
不動尊開帳図
作者:不明
奉納年月:弘化三(1846)年正月吉日
奉納者:物井村施主治朗左衛門・世話人新八
戦国時代初期に創建され、江戸時代には修験場として栄えた真言宗菩提山弘覚院金剛寺の様子を伝える貴重な作品。 -
雲龍飛翔図
作者:「小川端口半窓【落款】」
制作年代・奉納年月日:推定江戸時代後期
密教では大日如来の化現とされ、航海や雨乞いの守護神とされる「龍神」が描かれた作品。金剛寺権現山に祀られていた龍王権現に、雨乞いする為に祈祷・奉納されたものであろう。 -
楠公父子櫻井の別れ図
作者:不明
制作年代・奉納年月:推定江戸時代後期
足利尊氏に対し、劣勢となった朝廷方の楠木正成は決死の覚悟。嫡子正行へ別れを告げ、生き残って帝へ忠義を尽くすよう短刀を授けた。江戸時代になると「忠孝」の代名詞となった。 -
桃園の誓い図
作者:不明
制作年代・奉納年月:推定江戸時代後期
『三国志演義』などの序盤に登場する劉備・関羽・張飛の三人が、宴会にて義兄弟となる誓いを結び、生死を共にする宣言を行ったという逸話にちなんだ絵馬。 -
倶利伽羅龍王図
作者:不明
制作年代・奉納年月:「天保六(1853年)乙」
墨書銘
不動明王の智剣(倶利伽羅剣)に龍体をまとい絡ませている不動明王の化身。龍体右側には羽根をつけた迦楼羅天(仏法守護神)が立ち、その足元には番の虎が咆哮している。
ごあいさつ
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